動物にも血液型がある
人間だと世界中でAB型の割合が少ないという統計が出ている血液型ですが、ブラジルとペルーにはO型しかいないという結果も出ていました。
O型は血液型の中で1番古くからある血液型で、A型は農耕牧畜の民族がルーツだったり、B型は気候の変化で突然変異したもの、そしてAB型は1000年ほど前に生まれた一番新しい血液型と考えられています。
人間では大きく分けて4種類ある血液型ですが、動物にもあることが分かりました。
イヌの血液型
イヌの血液型は10種類以上あるといわれていますが、現在も研究は続いていて、種類はまだ増えているといわれています。
国際的に認められているイヌの血液型の分類は、DEA(Dog Erythrocyte Antigen=イヌ赤血球抗原)型で分類されていて、人間のものとは分類方法が全く違います。
13種類あるとされているイヌの血液型ですが、個体数が少ないものを除くと8種類の赤血球抗原に対して、それぞれ陽性か陰性かで分類することができます。
・DEA 1.1(+)or(−)
・DEA 1.2(+)or(−)
・DEA 3 (+)or(−)
・DEA 4 (+)or(−)
・DEA 5 (+)or(−)
・DEA 6 (+)or(−)
・DEA 7 (+)or(−)
・DEA 8 (+)or(−)
イヌは違う型の血液を輸血しても問題がないとされてますが、一応調べてもらう飼い主も多いようです。
ネコの血液型
ネコの血液型にはO型は無く、ほとんどがA型で95%、B型は4%、AB型は1%といわれています。
ネコは種類にもよって血液型に違いがあります。
◎アメリカンショートヘアー・ロシアンブルー・シャムは、ほぼA型
◎スコティッシュフォールド・ペルシャは、A型が多いがB型もいる
◎ブリティッシュショートヘア・コーニッシュレックス・アビシニアンはB型の割合が比較的高い
ネコほとんどがA型ですが、違う型の血液を輸血してしまうと死亡してしまうこともあるので、輸血の際には注意が必要です。
A型が生まれる組み合わせ
A型+A型・A型+B型・A型+AB型
AB型が生まれる組み合わせ
AB型+B型・AB型+AB型
B型が生まれる組み合わせ
B型+B型
ゴリラの血液型
ゴリラの血液型はB型といわれることが多いですが、種類によってはB型以外のゴリラも存在しています。
◎ニシローランドゴリラは、全てがB型
◎ヒガシローランドゴリラは、O型かB型
◎マウンテンゴリラは、O型かA型
ゴリラの中で最も生息数が多いのがニシローランドゴリラで、生息数が15万〜20万頭ほどといわれていて、ゴリラ全体の9割以上を占めています。
ブタの血液型
ブタの血液型は90%がA型で、残りの10%はO型になります。
B型とAB型はいないブタですが、体脂肪率は14〜18%だといわれています。
人間だとA型は炭水化物を消化しやすい血液型で、O型はタンパク質と脂肪を消化する能力が高いといわれているので、もしかしたらブタの体脂肪率にも関係しているのかもしれません。
ウマの血液型
ウマの血液型は3兆通りあるとされていますが、これは馬の各種血液型分類の組み合わせ数のことだといわれていて、人間のABO式で分類するとすべてがA型になります。
ウマの血液型は人間のABO式とは違って、混ぜると固まるということはないので、同じ血液型を輸血するということはしません。
違う血液型だとしても、ほとんどの場合は問題なく輸血できるので血液提供専門のウマも存在しています。
ウマの血液型は、輸血のために調べるのではなく、血統を調べるための分類だといわれています。
ウサギの血液型
ウサギの血液型はA型とB型といわれていますが、この話に根拠はないとされていて、海外ではA型、B型、C型、E型、F型、H型の6つの抗体が発見されています。
人間と同じ血液型はA型とB型のふたつをになりますが、日本のウサギはほとんどがH型だといわれています。
その他の動物の血液型
その他の動物にも血液型があります。
・カメはB型
・ウシほとんどがB型
・ 魚はA型
・カエルはAB型(種類によってA型やB型もいます)
チンパンジーはA型が90%、O型が10%ですが、人間と遺伝子が近いので、チンパンジーの血液を人間に輸血することも可能だといわれています。