まずは冷え性かどうかを知る
自分が冷え性かどうか分からないときには、まず体温が36度以下の場合は自覚症状がないとしても体が冷えている状態です。
また、たとえ体温が36度以上でも、冷えている感覚がある場合は、その冷えがストレスとなって血管が収縮します。
すると、体温が低い場合と同様に血流が滞ってしまうので、そのような人もれっきとした冷え性となります。
自分が冷えていないかのチェックテスト
□貧血気味
□夏でも汗をかかない
□朝起きるのがつらい
□生理痛がひどい
□月経前に不快な症状が出る
□たまに頭痛がある
□顔色が悪い
□冷房が苦手
□目の下にクマができやすい
□夜は熟睡できない
□少しの運動で息切れがする
□夜中にトイレで目が覚める
□低血圧
□肩こりがひどい
□腰痛がある
□ひざに痛みがある
□下痢気味、または便秘気
□疲れやすく、寝ても疲れが取れない
□イライラしやすい
□やる気が起きず集中力がない
チェックが1〜5個
チェック項目に1つでも当てはまっていたら、あなたの体は冷えている可能性があります。できるだけ体を温めるようにしましょう。
チェックが6〜10個
自覚症状はあまりないかもしれませんが、あなたの体は冷え始めているようです。さまざまな症状が出る前に、冷えの対策をはじめましょう。
チェックが11〜15個
あなたの体はかなり冷えているようです。冷えが深刻な病気を引き起こす可能性があります。すぐに冷え対策をはじめて、体を温めます。
チェックが16〜20個
あなたの体はかなり深刻です。体調の異変や病気などを患っているなら、冷えが原因かもしれません。いますぐ冷え対策をはじめてください。
起き抜けのお腹が冷たい
朝起きたとき、布団から出る前にまず脇の下に手を入れて温かさを感じてみます。その手をお腹に当ててみたとき、冷たいと感じたら体が冷えている証拠です。
耳を折ると痛みがある
耳を上下に折ったとき痛みを感じるのは、耳の毛細血管の血流が悪くなっているので、体が冷えている可能性が高いです。
なぜ体が冷えてしまうのか
近年では、冷房や暖房などの空調設備が発達したことで、自分の体ではなく環境のほうを快適にコントロールできるようになりました。
その結果、自分の体温調節をする力が弱まってしまい、適正な体温を保つことが難しくなってしまっています。
冬の寒さや冷房による冷えも、真夏の熱中症も根本的な原因は同じだと考えられていて、熱中症になりやすい人は、同時に冷えにも悩んでいることが多いといわれています。
冷蔵庫で冷やした飲み物が好きだったり、夏の冷房が効いた部屋でファッション重視の薄着をしたりという生活スタイルも、体に冷えを呼び込みます。
さらに、交通機関の発達による運動不足や、それにともなう筋力の低下が体内で熱を作り出す力を弱めてしまったことが、体が冷えることの大きな原因となっています。
また、ストレスに対する耐性が低い現代人は、ちょっとしたストレスで血管が収縮して血行不良になることで、冷えをもたらしている場合もあります。
冷えを解消する方法
自分の体が冷えていると感じたら、服を1枚多く羽織ることや、ぬるめのお風呂(38〜39℃)にゆっくりと浸かることなどを習慣にしましょう。
体を温めるといわれる食材(根菜類など)を食事に取り入れ、体を冷やす行為を避けることも大切になります。
冷たい飲み物はできるだけ避けるようにして、なるべく常温のものを選ぶようにします。
もっとも大切だといわれるのが運動になるので、1駅ぶん歩く、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使うなど、すこしだけ負荷のかかることを続けていると筋肉量も増えやすくなり、体内で熱を作り出せるようになります。
冷えが改善し、適切な体温が維持できるようになったらウォーキングなど少し長めの運動をはじめてみましょう。
そうするとさらに筋肉量が増えるので、根本的に冷えを解消することができます。
3つの冷えのタイプ
冷えは大きく分けて3つのタイプがあるといわれてます。
血行不良タイプの冷え
血行不良は老化現象の1つですが、服装や生活習慣、ストレスも血行不良の原因となります。血行不良による冷えは、痛みやコリとなってあらわれるのが特徴です。
運動不足タイプの冷え
筋肉が弱くて、熱を生み出す力が不足しているタイプです。胃腸が弱く、人によっては下痢や便秘になりやすく、血をつくる力、気をつくる力が弱いといわれています。
ストレスタイプの冷え
メンタルの弱さが冷えに結びついているタイプです。ストレスに弱く、交感神経がつねに緊張しているため、血のめぐりが悪くなり身体の不調を引き起こしている可能性があります。
血行不良がもたらす冷え
体の中を流れている血液は、温度が低いほど粘度があがるという特徴があります。
体が冷えることで、体内を流れる血液も冷え、血液をネバネバにして流れを悪くしてしまいます。
血行不良が起こることで、本当は届けられるはずの酸素や栄養分が体のすみずみまで行き渡らなくなります。
また、老廃物の運び出しも滞ってしまうので、体の本来の機能を保つことができなくなってしまいます。
血液を構成する成分の1つである白血球は免疫をつかさどっているので、血流が悪くなることで免疫力も落ちます。
そして、冷たい血液が全身を流れることで、さらに体を冷やすということになってしまうのです。
また代謝に変わり、人間の生命活動を支えている酵素が働く体温が36.5〜37℃のときろいわれているので、温度が低すぎてもその働きは鈍くなります。
冷えを解消することで、健康を保つことが可能になるので、気づいたときから対策をするようにしましょう。
冷えがおよぼす影響
万病の元といわれている冷えですが、体が冷えることで起こるトラブルもあります。
冷えによって筋肉が痛い、硬い、動かない
冷えによる血行不良や筋肉の緊張は、さまざまな場所で「痛い、硬い、動かない」というトラブルを引き起こします。
それが肩に現れれば肩こりに悩まされることになり、肩や首が緊張することで頭痛につながることもあります。
ヒザや腰の痛みを訴える人も体が冷えている人が多く、根本的な原因が冷えである場合も珍しくありません。
冷えによる内臓の不調
冷えによって酵素の動きが鈍くなったり、内臓の機能が低下すると、胃腸に不調が起こります。
冷えた腸はスムーズに動くことができないため便秘になったり、逆に冷えによる血行不良が腸内環境の乱れや自律神経の失調を引き起こして下痢になる場合もあります。
冷えによる月経不順や不妊
女性特有の子宮や卵巣のトラブルは、冷えによって骨盤内の血流が滞ることが原因で起こるケースが多くをしめています。
もともと筋肉量の少ない女性は、熱を作る力が弱く体をめぐる血液量も少ないため、男性よりも冷えやすいといわれています。
また、年齢を重ねて更年期をむかえることで体質がかわり、急に冷えが現れる人もいるので注意が必要です。
冷えとうつ病
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、気持ちを落ち着かせる作用がありますが、これは脳で作られています。
冷えによって血流が滞り、その原料となる栄養素がうまく脳に運ばれなければ、セロトニンが十分に分泌されなくなります。
そうなると、睡眠障害や不安感といった「うつ症状」を引き起こすこともあります。
このような冷え方をしている子どもは、「キレやすい」という傾向があるともいわれています。
冷えがガンの原因に
体が冷えて血行が悪くなると、細胞が酸素不足を起こします。
すると、エネルギーを産生する細胞内のミトコンドリアの数が減ってしまい、体内の代謝システムが酸素を使わない代謝(嫌気性代謝)に傾きます。
この状態は、ガン細胞にとって都合の良いものといわれているので、ガン予防の観点からも冷えは大敵だとされています。
冷えは美容の大敵
冷えによる血行不良は、スムーズな新陳代謝を妨げるため肌のターンオーバーがうまくいかず、肌荒れやシミ、シワの原因にもなります。
また白髪が増える、薄毛になるというトラブルの原因にもなっています。
冷えはリンパの流れも悪くするので、顔がむくむことでフェイスラインが崩れる可能性もあります。