神棚と仏壇を処分する前に
普段はあまり気にしない神棚と仏壇ですが、自分が生まれる前から家に存在していたという人も多いのではないでしょうか。
神棚は、家や事務所などで主に神道の神をまつるための祭壇といわれてますが、一般的には伊勢神宮のお札を中心に、氏神の神社のお札、そして崇敬する神社のお札の3枚を祀ります。
日本では昔から、先祖の霊を供養することで神となり子孫を守ってくれるという考えがあり、そのため神様を祀ることで、遠くの先祖を祀る意味もあるといわれています。
仏壇は、寺院にあるお仏壇を小型にして厨子(ずし)と一体化したもので、仏様をお祀りする家の小さなお寺です。
日本では、ご先祖様をお祀りする「ご先祖様のお家」としての意味も持っています。
神様と仏様が関係している神棚と仏壇ですが、処分するにはどうすれば良いのでしょうか。
神棚の処分方法
神棚は、先祖代々から受け継ぎ何十年、何百年と使うものでないので、5年から10年くらいで新しい神棚に買い替えるものだとされています。
古い神棚は、神社でご祈祷をしてもらい処分するか、お焚き上げをするのが一般的ですが、神田は仏壇と違ってご先祖様の魂が宿っているわけではありません。
神社でもらったお札には神様の力が宿っていますが、神棚そのものには神様の力は宿っていないので、そのまま捨てても問題ないと解釈している神社もあります。
神社でご祈祷・お焚き上げ
神棚を処分するとき、やはりそのまま捨てるのは・・・と思われる方は、神社でご祈祷とお焚き上げをしてもらいましょう。
神棚を外したら神社へ持って行き、祈祷受付所で「神棚処分の祈祷」の申し込みをすると、神主さんによるご祈祷をしてもらえます。
神棚のご祈祷に立ち会うこともできますし、立ち会わずご祈祷からお焚き上げまでしてくれる神社もありますが、神社によってはお炊き上げ料が必要になる場合があります。
ご祈祷や、お焚き上げ料などの金額は神社によって違うので、持ち込む前に電話などで確認しましょう。
不用品回収業者に頼む
神棚を自分で処分したり、粗大ごみとして処分する人もいますが、どちらも気分的にすすまないという方は不用品回収業者にお願いする方法があります。
御札は神社へ返納するものなので、御札を神棚から外して引き取ってもらうようにしましょう。
不用品回収業者によっては、神棚の引き取りはできないという場合もあるので、電話などで事前に確認しておきましょう。
神棚処分時の注意点
神棚は御札を祀っておく場所ですが、ときには神棚自体にお祓いがされている場合があります。
たまに、魂入れしてある神棚と表現されることがありますが、魂入れとは仏教でいう開眼にあたるので、神棚に関係している神道では修祓(しゅばつ)といいます。
修祓とは、神棚に対して穢れを除くお祓いをすることです。
神社で販売している神棚は修祓されていますが、神仏具店やホームセンターなどで販売されている神棚は、修祓されているかどうか不明です。
自分の家の神棚がどういったものなのか家族に確認して、もし修祓されている神棚であれば神社へ持ち込み処分することをおすすめします。
仏壇の処分方法
時代の流れで仏壇を置かない家庭も増えています。
仏壇を置かない、もしくは置けなくなる理由は様々ですが、置き場のスペースの問題だったり、施設へ入るため持って行くことができなかったりと、仏壇を処分する人も増えています。
仏壇はタンスやテーブルのような家具とは違い、ご先祖様の魂が宿るといわれています。多少お金はかかりますが、出来るだけ供養をしてから処分しましょう。
仏壇の供養
閉眼供養というのは、仏壇からご先祖の魂を抜くことで、開眼供養をしていたら必ず行いますが、他にも魂抜きやお性根抜き、または御霊抜きといわれています。
新しく仏壇を買ったときに、開眼供養を行ってご先祖様の魂を宿らせています。
魂が宿ったままの仏壇を処分するということは、ご先祖様の魂も一緒に処分することになります。
閉眼供養でご先祖様の魂を抜けば、仏壇は普通の家具と同じになります。
閉眼供養は菩提寺(自分の家のお墓のあるお寺)や、同じ宗派のお寺にお願いすることが多いですが、もし分からなければ仏壇仏具店に聞いてみても良いかもしれません。
仏具店で引き取ってもらう
新しい仏壇に買い替えるときには、ほとんどのお店で古い仏壇を引き取るサービスがありますが、仏壇を引き取るだけになるとお店によっては断られる場合もあります。
まずは、自分の住んでいる地域の仏具店で引取をしてくれるか確認してみましょう。
なかにはお寺と提携していて、仏壇の引き取りだけでなく、閉眼供養、処分まで全てやってくれるお店もあります。
粗大ごみとして出す
自治体によっては仏壇を粗大ゴミとして処分することもできます。
ただし、仏壇を粗大ごみとして引き取らない自治体もあるので、必ず自治体のホームページなどで確認しましょう。
粗大ごみとして処分する場合には、ご先祖様のこともありますので閉眼供養は終えてから出すようにしましょう。
自分で解体できるような小さな仏壇であれば、燃えるゴミとして出すことも可能ですが、自治体によっては粗大ゴミ扱いのものを分解して処分することを禁止している場合もあります。
もし、解体して処分が可能なときには、仏壇の木枠や掛け軸などは燃えるゴミ、金属製の仏具や茶碗などは資源ゴミ、または燃えないゴミに分別することになります。
不用品回収業者に頼む
仏壇を不用品回収業者にお願いして処分する場合は、まずは仏壇を取り扱っているかを電話などで確認します。
回収後はどのように扱われるのかは業者によって違いがあるので、引き取り後に業者が解体してそのまま廃棄するのか、合同供養を行ってから処分するのかも聞いておきます。
そのまま解体して廃棄する場合には、閉眼供養を行ってから業者に引き渡すようにしましょう。
不用品回収業者は、比較的価格が安くいものが多く、その日のうちに引き取ってくれる業者もあります。
面倒くさい手続きや、仏壇を早く処分したい人は、不用品回収業者へ頼むのが良いかも知れません。