加齢による眼精疲労
40代以上の人にとっての『気になる目の不調』は、半数以上の人が「目がショボショボして物が見えにくくなることが増えた」と答えています。
若い頃はどんなに目を酷使しても平気だったのに、年を重ねると夕方には視界がぼやけてしまうのは眼精疲労ですが、これこそ目の老化が進行している証だといわれています。
この目の老化が進んでしまうと、老眼・白内障・緑内障などの目の病気になってしまう可能性もあるので、早い段階で眼精疲労を取り除き、目の老化を止めることが大切になります。
眼精疲労の正体
眼精疲労のない人は目の検査をすると、濁りがなく水分で潤っていることがわかります。これが老化していない目の表面になります。
40代以上の人の目を検査すると、目の中に黒ずみが見られることが多くなります。
この黒ずみは、目を覆う水分が少なくなることで出現するのですが、目の中の涙が減少している状態だとみられます。
加齢にともない涙が減少することで、目の表面が乾き始めます。そうすると、物を見る時に乾いている部分に光のズレが生じ、ピントが合いにくくなってしまうのです。
これが夕方になると目がぼやけてしまう原因で、涙の量は60代になると10代の頃の約半分に減るといわれていて、知らず知らずのうちに目の老化は進んでいるそうです。
眼精疲労を食い止める方法
眼精疲労は、食事で摂る栄養素の量が関係している可能性があると考えられています。
眼精疲労を食い止める栄養素はDHAとEPAで、魚のブリに多く含まれています。
40代以上の3万人の女性を調べたところ、DHAとEPAを多く摂取している人より、それほど摂取していない人の眼精疲労を感じる割合が2.5倍もいたという結果が出ています。
富山県の人は、ブリ支出金額ランキングで46年連続日本一になっていて、DHAとEPAをたくさん摂取しているといわれています。
ブリ支出金額ランキング
1位 富山県 8,320円
2位 石川県 6,609円
3位 長崎県 5,995円
4位 福井県 5,709円
5位 香川県 5,296円
ブリの消費量の全国平均は約18切れ(1切れ100g)ですが、富山県では約51切れ(1切れ100g)で、全国平均の約3倍も消費されています。
DHAとEPAのすごさ
DHAとEPAは、血管の老化防止に効果があるといわれている栄養素で、様々な研究の結果、目の老化防止にも効果があることが近年判明しました。
DHAとEPAを摂取すると、ムチンとよばれる物質を出す細胞が活性化し、涙を目の表面に留めてくれる効果があり、目の老化防止につながります。
DHAとEPAは主に青魚に多く含まれていて、昨年はサバ缶がブームになりましたが、ブリに含まれるDHAの量はサバの1.7倍あり、効率よく摂取できる食材といわれています。
ブリのDHA・EPAを効率よく摂取する方法
ブリに含まれるDHA・EPAを効率よく摂取する料理にブリ大根があります。
魚の中でDHA・EPAがもっとも多いとされるのは部分は頭で、特に目の周りに多いといわれています。
熱で溶け出しやすいDHA・EPAを含んだ汁を大根が吸収するので、余すところなく摂取することができます。
同じように、ブリのアラで味噌汁の出汁を取れば、DHAとEPAを効率よく摂取できるので、なるべくブリは身だけでなくアラの部分も食べるようにしましょう。