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65歳以上は特に危険な入浴死

冬場に多い入浴死

冬の寒い時期になると入浴死のニュースが増えてきますが、年間推計は約19,000人といわれていて、多くの場合は「入浴中に体調が急変した可能性がある」と発表されています。

特に注意が必要なのは高齢者だということは知っていますが、それはどういった理由からなのか、そしてどうやって対策をすれば良いかを調べてみました。

 

寒い時期の入浴が危ない理由

入浴死とは、入浴中に事故や病気で亡くなることで、入浴死の年間推計は約19,000人といわれています。これは交通事故死者数3,532人(2018年)の約5倍なので、かなりの人が入浴中に亡くなっていることが分かります。

 

東京都福祉保健局によると、東京23区の入浴中の死者(2017年)は年間1,479人でしたが、そのうちの91.8%にあたる1,358人が65歳以上だったそうです。

 

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消費者庁の資料によると、11月から3月にかけて入浴中の事故死が多くなっていることが分かります。

 

冬の浴室が危険な理由

冬の浴室が危険な理由としてヒートショックがあります。これは、激しい寒暖差で血圧が急変動することによって体への悪影響が出てしまうということです。

お風呂に入るとき、暖かい室内から脱衣所に行くと血管が収縮して血圧が上がります。そして、お風呂のお湯に浸かると始めは反射で少し血圧が上がります。しかし、体が温まって血管が広がると血圧は下がります。

上がって、上がって、下がってというこの血圧の変化が、心筋梗塞脳卒中などを引き起こしやすくなってしまいます。

高齢者は血管が弱っているので、急激な血圧の変化に体がついていけない状態になってしまいます。

 

その他にも、のぼせ(冬場の熱中症も原因の一つといわれています。

冬場は部屋の外も内も乾燥していますが、喉の乾きを感じることが少ないので水分を摂る量も減ってしまい、体内の水分も少なくなっています。

このような「かくれ脱水症」の状態でお風呂に入ると、血液はドロドロで流れも悪く、体温を下げる機能も正常に働かないので体温が下がりにくく結果、のぼせてしまいます。

高齢者の場合「のぼせ」に気づかず熱中症になり、最悪の場合は意識を失い溺れてしまうこともあります。

 

入浴時に気をつけるべき対策

入浴中の事故を防ぐための対策としては、まず脱衣所・風呂場を温めることが大切です。

リビングなどの暖かい部屋と脱衣所の温度差は5℃以内が良いとされていますので、お風呂場に暖房設備が備わっていれば必ず使うようにしましょう。

暖房設備がついていない場合には、脱衣所に小さめの暖房器具を置いたり、浴室は浴槽の蓋を開けるなどして風呂場を温めておきます。

 

あとは、入浴前に深呼吸を5回しましょう。深呼吸の方法は、鼻で3秒吸い、口から5秒吐きます。深呼吸することによって血圧が安定するので、血圧の急な上昇や下降を予防してくれます。

そして、入浴の前後で水分補給をします。だいたいコップ1杯〜500mlぐらいの水を飲んでおきましょう。お風呂に入ったときも、かけ湯(シャワー)は心臓から離れている手足の末端からかけます。

 

お風呂のお湯の温度ですが、40℃に10分程度は良いといわれています。40℃のお湯はヒートショックのリスクが少なく、10分程度の時間はリラックス効果と熱中症のリスクを減らすことができます。

ただし、これは一般的な話なので、心臓病などがある場合には必ず主治医に相談してください。場合によっては、半身浴くらいでといった指示が出ることがあります。