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高校の早朝儀式に先生がストライキ

私立高校で行われている早朝儀式

東京都千代田区にある「私立正則学園高等学校」では、7時前に出勤する理事長に挨拶することが慣例化していて、挨拶をしなければ注意を受けるという問題が報道されました。

教員はこの早朝儀式をするために、午前6時半頃の出勤を余儀なくされることから、約20名の教員が始業前の朝6時半頃から強制されている理事長への挨拶の儀式を拒否するとして、ストライキを実施したそうです。

 

教員の多くは朝6時半頃~夜9時頃まで休憩をとることなく働き、1日の労働時間は約14時間半にも及んでいました。

なかには、帰宅時間が終電間際になる教員もいる状況とのことで、これまで過重労働により、体調不良、入院をした教員も出ていて、過労死を疑える人もいたそうです。

 


始業前の「理事長へあいさつ」儀式は不当 「教員らがスト」の学校側に話を聞いた

 

ぞろぞろと大人が並んで理事長室に入って行く姿は、なんとも異様な風景ではありますが、先生たちは一人ひとり理事長に朝のあいさつをし、そして神棚を拝んで退出するというのが毎朝の慣例になっているそうです。

 

私立正則学園高等学校の場所

正則学園高等学校は、120年の歴史があり「正義で愛し、人の道を重んじる」という教育目標を掲げています。

所在地は、東京都千代田区神田錦町三丁目にある私立男子高等学校で、学校法人正則学園が運営しています。

 

maps.app.goo.gl

 

 

現在、学校のホームページ(http://www.seisokugakuen.ac.jp)は、アクセスが集中しているため 仮ページでの紹介になっていました。

 

ホームページには

【在校生・保護者の方へ】 

12月・1月の行事予定表に従い通常授業を 
行っています。一部報道等につきましては、 
各家庭に郵送しました校長発第88号を 
ご覧ください。

 

◎受験生並びにご家族の皆様へ 

現在、当学園と一部教職員との間における 
待遇問題等に関する報道等がされており、 
ご心配をおかけしております。 

しかしながら、当学園といたしましては、 
この問題について解決を図り、より良い 
学園を築きあげて参ります所存です。 
また、当然ながら、この問題により受験生 
並びにご家族の皆様に悪影響やご不便を 
おかけすることはございません。 

どうか安心してご出願くださいますよう 
お願い申し上げます。

 と、報道の影響が出ているような文章が出されています。

 

先生の主張

早朝の儀式がなければ、授業の準備など生徒と向き合う時間が出来ると主張しています。

しかし、寝坊して早朝あいさつに間に合わない7時半ごろに学校に行った時に、部活動の顧問を外すなどの嫌がらせや脅しとかを受けた教員もいたそうです。

1人だけ遅く行ってしまった場合には「バカ、アホ、出ていけ!」と言われることもあったといいます。

 

理事長の利益のためではなく、生徒の許いくのための学校を!ということで、2019年1月8日(火)から無期限で、先生たちは授業に影響がでないよう生徒の登校時間までストライキを決行することにしました。

 

ちなみに、この早朝挨拶は30年以上続いていて、先代の頃から行われていたそうです。

理事長はストライキについてどう思っているのか

理事長への取材

Q.「あいさつの強制か」と言われていますが?

A.ありません、そういうことは。私の(出勤が)早いから、みんなが早いだけでそんなことはありません。

 

取材後、学校側は報道関係各位に以下のようなFAXを送っています。

報道関係者各位

 

当学園ないし、当学園理事長に対する取材のお申し入れにつきましては、当学園といたしましては、現在当学園HPにおいて下記の通りお伝えしております通りのお答え以上のことはいたしかねますので、ご対応はご容赦いただきたくお願い申し上げます。

 

HPには

f:id:arafokonashi:20190114105241j:plain

と出ていたのですが、現在はアクセス集中のため仮ページになっていてこの文章も見当たりませんでした。

 

儀式以外でも苦しめる学校の実態

働き方改革のも逆行しているような朝の儀式ですが、こちらの学校の教員数は約40名でそのうちの2/3が正教員で、残りは非常勤講師とのことです。

 

一日14時間以上の長時間労働を強いられている教員ですが、タイムカードは事務員がやってきて勝手に打刻しているそうです。

さらに、同意なく一方的にボーナスが減額されることもあったそうです。

非常勤講師は、一日8時間(週40時間)の勤務で、月の手取りが約15万円という低待遇になっているとのことです。

 

労働環境の改善を求める声に、学校側は「長時間労働につきましても、当学園といたしましては許容しておりません。その他指摘時事項につきましては、今後当学園は適切な対処・対応をさせていただく所存です」という回答を出しています。

 

 

少し前から教職員不足が問題になっているのに、こんな学校現場があるというだけでも、また先生を目指す若者が減ってしまうのではないかと心配になります。

こんな学校ばかりではないのでしょうが、誰のための学校なのかをもっと考えて欲しいと思います。