健康になる油ばかりではない
テレビでも特集されることが増えてきた食用油ですが、体に良いといわれている油でも、摂り方によっては健康を阻害してしまう可能性があるそうです。
健康に良いといわれているオリーブオイルですが、スーパーでも専用の棚ができるくらい一般的な油になってきました。
健康のために毎日使っているという人も多いオリーブオイルですが、人によっては血液がドロドロなってしまうこともあるそうです。
では、健康になるための油の種類や、油の摂り方はどういったものがあるのでしょうか。
日本人に必要なオメガ3脂肪酸
日本人の食文化が変わったというわれる理由のひとつに、食卓に魚よりもお肉が出ることが増えてきたことがあげられます。
昔よりも日本人の平均身長は伸びて、体格もよくなったとされていますが、魚を食べる機会がが減ったことで心筋梗塞などの病気のリスクがあがっている可能性があるそうです。
ただ、魚を食べることが少なくても、食用油を摂ることで補えることができるといわれています。
魚には「オメガ3脂肪酸」と呼ばれるアブラが含まれているのですが、えごま油などの油にも含まれている成分になります。
毎日、魚を食べるのはなかなか難しい人は、オメガ3系の「えごま油」や「アマニ油」などを1日スプーン1杯摂ることで、健康的な効果が期待できるそうです。
4種類に分けられる油の種類
食用油の種類はも種類が増えてきて、スーパーの棚にも多くの商品が並んでいますが、大きく分けると4つのグループになります。
売られている油の多くは複数の「脂肪酸」がブレンドされていて、どの種類の脂肪酸が多いかでわけられているそうです。
・飽和脂肪酸が多いグループ(バターや牛肉など)
・オメガ9脂肪酸が多いグループ (オリーブオイルなど)
・オメガ6脂肪酸が多いグループ(大豆油やコーン油など)
・オメガ3脂肪酸が多いグループ(魚の油やえごま油など)
この4つのグループのなかで、飽和脂肪酸とオメガ9は体内で作ることができるのですが、オメガ6とオメガ3は体内で作ることができないので、食品から摂る必要があります。
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は「必須脂肪酸」とよばれていて、健康に深く関係している重要な栄養素になります。
健康のため油をバランス良く摂る
必須脂肪酸とよばれるオメガ6とオメガ3の働きは、体内で対抗しているといわれています。
・オメガ6・・・血液を凝固させたり、体内の炎症を促進したりする
・オメガ3・・・血液を固まりにくくしたり、炎症を抑えたりする
この働きだけをみると、オメガ3だけ摂れば良いように思えますが、この2つの脂肪酸のバランスが崩れてしまうと健康に被害が出てしまう可能性があります。
オメガ6が過剰になると、血が固まりやすくなるので心筋梗塞などのリスクが高くなったり、オメガ3が過剰になると血液がサラサラになりすぎてしまって、出血が止まらなくなってしまいます。
オメガ6とオメガ3の比率が2:1だと、バランスが良くなると日本脂質栄養学会は推奨されています。
日本人の現状としては5:1くらいの比率になっているといわれているので、オメガ6がだいぶ多くなっているようです。
最近の研究によると、オメガ3は中性脂肪の合成を抑える効果や、代謝を上げる効果も期待できるのではといわれてます。
オメガ3の注意点
オメガ3の油は、光と熱に弱いので基本的には冷蔵庫などの冷暗所保管します。
酸化しやすいので開封したら1か月をめやすに早めに使い切り、揚げ物や炒め物など加熱調理には使わず、そのままの上体で料理に使用した方が良いとされています。
1日に摂る量は小さじ1杯まで(小さじ1杯で4グラム)が良いとされています。
オメガ3も油なのでカロリーが高く、食べ過ぎてカロリーオーバーになってしまう可能性があります。
オメガ3の油を、発泡ポリスチレン製の容器(カップめんの容器など)に入れると、容器が変質・破損してしまい、ヤケドなどをする恐れがあるので、絶対に入れないようにしましょう。